夜にトイレに行きたくなり、目が覚める。
トイレに行き、また、眠りにつき、また、目が覚めてしまった。
もし、夜中に1回以上はトイレで目が覚める、という方は、もしかしたら『 夜間頻尿 』の可能性があります。
実際に泌尿器科学会の調査によると、
実に40歳以上の7割近くの方が、夜間の排尿回数は1回以上だということが判明しました。
3回以上の人もかなりいます。
今回は、『 夜間頻尿 』について、お話します。
夜中にトイレに起きる回数が多い原因は?
膀胱容量の減少。
尿が増えてしまうこと。
尿道が刺激されること。
睡眠が浅くなること。
まずは「 膀胱容量の減少 」から。
こういった膀胱容量の減少で起こる夜間頻尿には、
多くの病気が潜んでいる可能性があるんです。
膀胱が敏感に働いてしまうことにより尿を貯めておくのが難しくなってしまうことも原因。
つぎは、「 尿が増えてしまうこと 」
尿が増えてしまうことの原因では、まずは単純に「 水分の摂り過ぎ 」という直接的なものが考えられます。
それに続いて尿の増加を促してしまう利尿作用の高いカフェインの摂取やアルコールの摂取が否めません。
こういったものはやはり尿を増やす作用があります。
それは、夜中トイレで起きてしまいやすくなってしまうのです。
ここまでは、ご自身の生活習慣でなんとか改善できそうです。
ですが、これらのこと以外に疑われる病名があります。
「 前立腺肥大症 」
「 過活動膀胱炎 」
「 膀胱畜尿障害 」
「 神経因性膀胱 」
「 前立腺炎 」
「 間質性膀胱炎 」
「 膀胱炎 」
上記の病名は、夜間頻尿の症状からわかりやすいと思います。
ですが、その他にも疑わないといけない病気がございます。
それは、
「 心臓の弱り 」
「 うっ血性心不全 」
「 尿崩症 」
「 加齢 」
「 高血圧 」
なのです。
心臓の弱りなど、命に関わる致命的な問題も夜間頻尿の原因とも言われています。
心臓は総ての「 ポンプ 」として考えてみてください。
心臓が弱くなると「 ポンプの働きが悪くなる 」ということになります。
下半身に血液が溜まってしまい、昼の間に下半身がむくみます。
寝る際には横になるので、下半身に溜まった血液が徐々に心臓に戻ってきます。
沢山の血液が戻ってくると心臓は処理できなくなり、それを水分として尿で排泄するようになり、
『 夜間頻尿 』となるというケースもあります。
「 尿崩症 」という病気ご存知ですか。
尿というのは本来、腎臓の尿細管と呼ばれるところで再吸収され循環しているもの。
尿崩症になると、この再吸収ができなくなってしまいます。
これが結局尿の量を増やすことになってしまうのです。
「 加齢 」は、普段寝ているとき「 抗利尿ホルモン 」というものが働き、
寝ているときの尿の量を2分の1程度にしてくれています。
年を取ると、この「 抗利尿ホルモン 」というものが少なくなる上、
心臓や腎臓の機能も当然衰えてきます。
それは、
・尿道が刺激されること
・便秘
にもつながります。
これは尿道が刺激されて頻尿になる、というケース。
さっき、トイレに行ったはずなのに、なんだかもう一度行きたい、という不安なケース。
主に、便秘がちな女性に多いのですが、便秘になると結局尿道が刺激され、トイレが近くなったりしてしまうのです。
夜中にトイレに行くことが多いということは、
睡眠が浅くなる
睡眠時無呼吸症候群
睡眠障害
なども、併発する可能性があります。
「 睡眠時無呼吸症候群 」は基本的に息をしないことが多いので、胸控の圧力が下がります。
圧力が下がると収縮することになりますので、それを補うため心臓が膨らみ、心臓が膨らむと血液が大量に心臓に入ってくるので、それを処理できずに尿として出すようになるというケースがあるのです。
心臓が弱ることの仕組みと似ています。
「 睡眠障害 」で目が覚めてしまいやすくなるためトイレに行くというパターン。
つまり、睡眠障害なのか頻尿なのか本人が自覚していないという状態が多いようです。
どのような方に多いかというと、BMI値30を超える肥満の方に多いようです。
『 夜間頻尿 』の原因は太り過ぎていたりすることにも原因があったりするのですが、
太り過ぎはメタボリックシンドローム、いわゆる「 メタボ 」と呼ばれていますが、
これは高血圧、高血糖、高脂血症を招くものなので、
メタボの体質というのが複雑に絡んで『 夜間頻尿 』を引き起こすというものです。
他にも、日常のストレス、心配事でなってしまう方などもいらっしゃるようです。
一概には言えないことですが、自覚症状がある方、夜中になぜか目が覚めてしまう方、
一度、その症状と向き合ってみること、おススメします。
頻尿を治す方法について
簡単に水分の過剰摂取と決めつけてしまっては、
せっかく他の病気の前兆だったとしても、
治すこと、ましてや、改善することも不可能になります。
もちろん、日常の生活で、眠る前の数時間の水分摂取を少なくする、とか、
塩分を控えた食事にする、とか対策をとることは大事です。
対策をとりつつ、改善されない場合は、ドクターに相談しましょう。
原因は「 心不全の前兆 」だったでは、取り返しがつきません。
『 夜間頻尿 』になったら素人判断じゃなく、「 泌尿器(ひにょうき)科 」で受診しましょう。
もしかすると、診察結果が睡眠障害などによるもので、最初に尋ねた専門以外の方に伺うことになったり、内科に行ったりすることもありますが、基本的には泌尿器科を受診をおススメします。
人によっては、『 夜間頻尿 』の自覚がある方は、就寝時間内に何回起きたり、トイレに言ったりしたか、回数を書き留めている方もいらっしゃいます。
ドクターにお話しする際に、診断材料の一つにもなりますので、おススメします。
頻尿を治す市販薬にはどんなものがある?
現代は、排尿障害、中でも頻尿に悩む方が増えているようです。
もちろん中高年の方が多いのですが、
近年若い方でも頻尿に悩むことが多くなってきています。
大体1日に昼間8回以上、夜1回以上トイレに通うことを「 頻尿 」といいますが、
悪化すると1日20回以上トイレに通う方もいらっしゃいます。
そうなると、日常生活に支障が出てきますので、早めに対策を講じて治しましょう。
しかし、そうはいっても、まだ病院に行くほど重症ではない、
病院に行くとお金がかかるから、といった理由で市販薬を手にとる方も多くいらっしゃいます。
最近では漢方も購入する方が多いようなので、
「 八味地黄丸 」系をご紹介します。
「 八味地黄丸 」はちみじおうがんは、腎機能の衰えに効果があるとされる漢方薬。
具体的には、下半身の疲労脱力、多尿、頻尿、尿利減少、腰痛、口渇に効くとされ、膀胱炎、前立腺肥大、腎炎、高血圧症、糖尿病、陰萎、腰部脊柱管狭窄症などの治療に用いられ、市販されている頻尿の薬には、
「 八味地黄丸 」を基本としたものが多く見られます。
漢方より指定第2類医薬品で、とおっしゃる方には、
「 ジェントスルーコーワ 」はいかがでしょうか。
八味地黄丸に胃腸障害や尿のトラブルによい麦門冬と五味子を追加した、男性におススメの頻尿薬です。
「 疲れやすい 」
「 口の渇きなどがある 」
「 排尿困難 」
「 夜間尿 」
「 頻尿 」などに効果がある細粒状の粉薬です。
CMなどでもお馴染みの
「 ハルンケア 」
八味地黄丸由来の生薬です。
「 体力の低下 」
「 下半身の衰え 」
「 手足の冷えを伴う方の頻尿 」の症状の緩和に効果があるとされています。
ドリンクタイプとスティックゼリータイプがあり、水なしですぐ飲めるのが助かります。
まさに、
「 八味地黄丸 」という名の第2医薬品。
「 疲れ 」
「 かすみ目 」
「 下肢痛 」
「 頻尿 」
「 排尿困難 」などの症状に効果があるとされています。
同じ成分の「ベルアベトン」という製品もありますので、
用法など薬剤師と相談しましょう。
「 ユリナール 」も同じく八味地黄丸由来の生薬。
味は毎日食べても大丈夫、子供でも大丈夫、という評価もありました。
他には、「 フラボキサート塩酸塩 」系をご紹介します。
膀胱の収縮を抑制する「 フラボキサート塩酸塩 」由来の女性用の薬で、
2社から出ています。
膀胱の収縮を抑制するということは、過活動性膀胱や慢性膀胱炎に効果があると言えます。
CMでもお馴染み
「 レディガードコーワ 」
フラボキサート塩酸塩を配合した女性用の頻尿、残尿感改善薬。
飲みやすいコーティング錠。
こちらも飲みやすいコーティング錠
「 ジンフリック 」
「 尿トラブル(頻尿・残尿)に悩む女性へ 」と、うたわれています。
トイレが近いと日常生活に様々な支障をきたします。
ですが、軽度のうちに適切な対応を講じれば、十分に改善することができると思います。
市販薬でも、自分の頻尿のタイプを判断し、
膀胱訓練や運動療法、食事療法を行いながら上手に使うことで、充分な効果が期待できます。
けれども、もし服用してみて効果が出ないようであれば、
服用を止め、専門医を受診するようにしましょう。
まとめ
『 夜間頻尿 』の他にも、困る病名が、「 尿意切迫感 」
急に尿意をもよおし、これ以上我慢するとおしっこをもらしてしまいそうになる感じです。
排尿回数が増え、排尿後またすぐに尿意をもよおすものを「 膀胱性裏急後重」
尿しぶりなどと呼ばれるそうです。
この場合、トイレに入り続ける状態になることもあるので、本人はとてもつらいのです。
膀胱炎、後部尿道炎などの下部尿路の炎症と前立腺炎の際にこの症状が認められます。
他には「 切迫性尿失禁 」
尿意切迫感と同時または直後に、トイレまで我慢できずに尿が漏れてしまうこと。
排尿と排尿の間で頻繁に少量の尿が漏れたり、
膀胱が完全に空になるような多量の尿が漏れたりと症状はさまざまです。
骨盤底筋訓練などの下部尿路リハビリテーション治療とも言えるピラティスやヨガなど、
日常に取り入れてみることも効果的です。
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