何となく目がかゆいとか、何となく目に違和感を感じて
無意識に目を触ってしまい、
翌日の朝起きて鏡を見たら、まぶたが腫れていてビックリ!
まともにお化粧もできなくて、
通勤電車の中や会社で仕事をしている時も
顔を伏せ気味にして一日を過ごした。
なんて経験はありませんか?
その目の腫れは「ものもらい」かもしれません。
今回は、ある日突然、何の前触れも無く襲って来る「ものもらい」
について、症状と治療法についてまとめてみました。
ものもらいの症状って?
ものもらいの症状には、「まぶたの一部が赤く腫れる」
「目がかゆい」「目が赤い」「目がゴロゴロする」などの症状や、
人によっては「まぶたが熱く感じる」「重たく感じる」
「光がまぶしく感じる」といった症状が出ます。
また、まばたきをしたり指で押したりすると痛みがあり、
更に症状が悪化すると、まぶた全体が腫れ、目やにが出ます。
中でも特徴的な2種類の症状がありますので、ご紹介します。
1)「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の症状
まつげの生え際の内側には「マイボーム腺」という
目に見えないくらいの小さな穴が整列しています。
このマイボーム腺からは油分が分泌される事で、
涙の成分に油分を加え、目の表面に油膜を作って
涙の蒸発を防ぐという働きがあります。
そのマイボーム腺が雑菌に感染して化膿性炎症を起こし
腫れるのが「内麦粒腫」
マイボーム腺以外の汗腺などの分泌腺に雑菌が感染して
化膿性炎症を起こして腫れる事を「外麦粒腫」と言います。
この麦粒腫(ばくりゅうしゅ)の症状には
「かゆみ」「痛み」「腫れ」「まぶたが赤くなる」
「まぶたが熱く感じる」といった症状があります。
2)「霰粒種」(さんりゅうしゅ)の症状
「霰粒種」(さんりゅうしゅ)とは、
マイボーム腺の穴に脂肪が詰まることで「白い脂肪のかたまり」
ができたり、「腫れ」たりするのが霰粒種(さんりゅうしゅ)です。
「霰粒種」(さんりゅうしゅ)は、
腫れてしこりが出来ただけだと痛くありませんが、
そこに細菌が感染し化膿すると、
見かけは麦粒腫そっくりですから注意が必要です。
腫れて痛みが出る場合もありますが、脂肪は自然に吸収される
場合もあります。
しかし、痛みが出ない場合もあり、
そのまま長期間放置されると、
悪化してポリープ状のかたいイボのような
「肉芽」になり、
吸収されにくくなってしまいます。
この場合、お薬を使う期間が長期に渡ったり、
手術で切開して「肉芽」を取り除かないと治らない場合もあります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の症状には
「コリコリしたしこりがある」「大きく腫れている」
「目やまぶたが熱く感じる」「時おり痛みを感じる」
といった症状があります。
早く治す方法(腫れに対して)
1)「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の場合
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)による腫れを早く治す方法としては、
抗菌目薬や軟膏と共に、抗生物質や抗炎症剤などの
内服薬を併用します。
かゆみが強いときは、冷たく冷やした清潔なタオルなどで
目の周りを冷やすと多少かゆみが落ち着きます。
かゆくても、絶対に目をこすらないようにしましょう。
痛いときは赤く腫れてズキズキしますが、
血行が良くなってお薬が患部に届きやすくなっている証拠ですから、
抗生物質さえ効いてくれればおよそ3~5日くらいで症状は回復し、
1週間から10日くらいで完治します。
眼科を受診せずに市販薬で治療する方も多いかと思いますが、
治療を始めて3日経っても症状が変わらない場合は、
霰粒種(さんりゅうしゅ)の可能性がありますので、
早めに眼科を受診するようにしましょう。
また、症状が悪化して膿による腫れが酷くなってしまった場合は、
痛みを和らげるために患部に針を刺して膿を抜く場合もあります。
2)「霰粒種」(さんりゅうしゅ)の場合
霰粒種(さんりゅうしゅ)の場合は麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
のように雑菌による炎症では無く、マイボーム腺に脂肪が詰まる
事によって起こる腫れですから、脂肪を吸収しやすくするために
清潔な温かいタオルなどで、患部の周りを一日数回温めます。
しかし、霰粒種(さんりゅうしゅ)の場合は炎症によって
膿が溜まっている訳では無いので、温めたりお薬を1週間程度
続けても「痛みは治ったけどしこりが残った」状態になります。
その後は腫れが引いても血流が悪くなってしまいますので、
お薬も患部に届きにくくなりますから、
眼科医で処方されたお薬でも完治までの期間が1ヶ月以上
になることもよくあります。
更に、目薬や塗り薬、飲み薬などを使っても良くならない場合には、切開手術をする場合もあります。
できるだけ手術跡が残らないように内側から手術をした場合は、
傷口が落ち着くまでに約1~2週間かかりますが、
やむを得ず外側から患部を切開して、皮膚を縫った場合は
約一週間後に抜糸となり、傷が完治するまでには2~3週間
かかる場合が多くなります。
早く治す方法(痛みに対して)
1)「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の場合
「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の痛みを早く取りたい場合は、
炎症と細菌の繁殖を同時に抑えるために、
抗菌目薬や塗り薬と共に痛み止めや抗生物質の内服薬を併用して、
清潔な冷たいタオルなどで患部を冷します。
ただし、患部を冷やしすぎると血流が悪くなって
お薬が患部に届きにくくなってしまいますので、
痛みが落ち着いてきたら冷すのを一旦止めて様子を見て下さい。
2)「霰粒種」(さんりゅうしゅ)の場合
「霰粒種」(さんりゅうしゅ)の場合は、マイボーム腺が詰まって
脂肪が固まっているだけなので痛みが無い場合がおおいのですが、
痛みがある場合は細菌に感染している可能性もありますので、
その場合は「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の場合と同様に、
抗菌目薬や塗り薬と共に抗生物質の服用を併用します。
ものもらいの治療中における注意点
■ お薬を使っている場合は、冷やすよりは温めた方が
血行が良くなりますので治療には効果的です■ 自然治癒力を高めるために、睡眠不足や夜更かしなどの
不規則な生活などは避けましょう■ アルコールや極端に甘い物、辛い物などの刺激物も控えましょう
■ コンタクトレンズはものもらいの症状を悪化させる
可能性が高いので使わないようにしましょう
ものもらいの予防と対策
(1)お風呂は湯船につかる
体が温まらないとまぶたも温まらず、
マイボーム腺に脂肪がつまりやすくなりますので、
できるだけシャワーで済ませずに40度前後のお湯に
10~15分程度つかり、体もまぶたも温めてあげるのが
ものもらいの予防には効果的です。
(2)アイメイクに注意する
マイボーム腺は、まつげの生え際にありますので、
アイラインなどのアイメイクをしていると、
マイボーム腺の脂を出す出口を塞いでいることになりますので、
まつげの生え際のアイメイクはなるべく避け、
常に清潔になるよう心がけましょう。
(3)温かいタオルなどでまぶたを温めてマッサージをする
ものもらいの多くは、マイボーム腺の出口が詰まる事で
引き起こされますので、
温かいタオルでまぶたを温めると予防にもなりますし、
指の腹でまぶたをマッサージすることで余分な脂がでますので、
お風呂に入っているときなどに2~3分温めてあげましょう。
(4)コンタクトレンズは控えめに
最近では、ファッションの一部としてカラーコンタクトレンズ
などを使用している方も多くいらっしゃるようですが、
コンタクトレンズの汚れなどにより細菌の感染や
炎症が起こりやすくなりますので、できるだけコンタクトレンズの
使用は必要なときだけにするように心がけましょう。
(5)自然治癒力を高めるため規則正しい生活を
不規則な生活リズムは、ホルモンの分泌が不安定になり、
脂肪の性質などが変わってしまい、
マイボーム腺が詰まりやすくなってしまったりしますので、
規則正しい生活をするように心がけましょう。
ものもらいは人にうつるの?
ものもらいは、雑菌による炎症や脂肪の固まりが原因であるため、
通常の体力がある人にはうつりません。
もし、家族や友人など親しい人がものもらいになったからといって、
必要以上に神経質になる事はありません。
ものもらいの治療まとめ
「ものもらい」の治療方法は、抗菌目薬や抗菌眼軟膏を用いて
炎症や細菌の繁殖を抑えます。
このような薬を使うことで、3~5日ぐらいで症状は回復し、
1週間から10日くらいで完治します。
「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ)の場合、
点眼薬・軟膏・内服薬で治らないときは、
患部を小さく切開し膿を出す治療方法もあります。
「霰粒腫」(さんりゅうしゅ)の場合も、
点眼薬・軟膏・内服薬で治らずに、脂肪の塊が大きくなったり、
痛みが出てきたときには切開手術をして脂肪の塊を摘出しますが、
手術は症状が重症化した場合のみに行われますので、
基本的に「ものもらい」の治療方法は、
殆どの場合はお薬を使うことで完治します。
お大事になさってくださいね。
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