マイコプラズマ肺炎の症状は?潜伏期間と感染、治療法について

胸・肺

hanamizu

マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae による肺炎で、
市中肺炎(community‐acquired pneumonia)の15~20%を占めます。

初秋~冬に多い傾向がありますが、それ以外にも散発的に発生し、
以前は、4年に1度流行し、それがオリンピックと重なっていたので、
「オリンピック熱」とも呼ばれていましたが、
最近は流行が平均化しています。潜伏期間と感染、治療法についてお話していきます。

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マイコプラズマ肺炎の症状は?

発熱や全身倦怠、頭痛などが3~4日続きます。
最初は乾いた咳が出て、だんだんと咳がひどくなり、徐々に痰(たん)がからみだし、
ひどい時には、痰に血が混じることもあります。

熱が下がっても、咳は3~4週も続きます。
30~40%に軽度の肝障害を示し、寒冷凝集素価が高いと溶血性貧血を合併します。

その他の症状として、吐き気、嘔吐、下痢の消化器症状を起こしたり、
中耳炎、筋肉痛、関節痛、発疹などが出る場合もあります。
小児では脳炎、髄膜炎、ギラン・バレー症候群(Guillain‐Barre´ syndrome) などの
神経系合併症、
皮膚ではスティーヴンス・ジョンソン症候群( Stevens‐Johnson syndrome)、
多形滲出性紅斑、
その他、心筋炎、鼓膜炎、中耳炎、関節炎などが合併症としてあらわれることがあります。

マイコプラズマ肺炎肺炎の潜伏期間は?

一般的に潜伏期間は約2~3週間、長くても4週間程度と言われています。
潜伏期間中は第三者への二次感染を起こす時期でもあります。

マイコプラズマ肺炎は、実際にはそれほど強い感染力を持たないのですが、
流行を起こすのは、この潜伏期間が長く、気付かぬうちに、
感染を広めてしまっているのも関係しているようです。

マイコプラズマ肺炎肺炎の感染経路は?大人にも感染する?

接触感染(せっしょくかんせん)や咳による飛沫感染(ひまつかんせん)で伝播し、
濃厚接触により、家庭や学校などの閉鎖的な環境で流行します。

子供に多く見られる感染症ですが、大人でも感染することがあります。
症状は子供と同じような症状ですが、咳は湿った咳になりやすいといわれています。
成人までに97%がマイコプラズマの感染を受けています。

マイコプラズマ肺炎肺炎の治療法は?

予後(よご)は一般に良好ですので、自然治癒を待つのも一つの方法です。
水分をしっかり補給し安静を保つことで、
風邪(かぜ)よりは少し長びくかもしれませんが、治ることが多いようです。

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病院に行くと、治療はマクロライド系、テトラサイクリン系抗生物質を投与します。

ただ、野生におけるマイコプラズマの約15%はマクロライドに耐性を持っていると
言われていますので、マクロライド系以外の抗生物質が使われることも多いようです。
ケトライド系、リンコマイシン系、ニューキノロン系薬剤も使われます。

また、閉塞性気管支炎(bronchitis obliterans)を併発、
陰影が広汎で呼吸不全を伴うなど
経過によってはステロイドを併用します。

マイコプラズマ肺炎に漢方薬が使われることもあります。
漢方薬というと、慢性病に使われるイメージがありますが、
西洋医学が導入されるまでは、肺炎などの急性病に対しても
漢方薬や民間薬で対応していました。

マイコプラズマ肺炎に良く使われる漢方薬としては、

マイコプラズマ肺炎に良く使われる漢方薬

麻黄湯(まおうとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、柴陥湯(さいかんとう)、
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、
清肺湯(せいはいとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)、
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)、
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、大青竜湯(だいせいりゅうとう)、
真武湯(しんぶとう)、四逆湯(しぎゃくとう)、喘四君子湯(ぜんしくんしとう)、
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、梔子豉湯(しししとう)

などがあります。

一般に、初期には小青竜湯、
舌に白い苔(こけ)ができ、食欲が無く、
咳や呼吸困難がそれほど激しくないものには小柴胡湯、
便秘し、譫語(うわごと)を言うようになったものには桃核承気湯、
老人や虚弱者には真武湯・四逆湯などが用いられます。

まとめ

健康ぷらざ:マイコプラズマ肺炎(2012.1.8)
健康ぷらざ:マイコプラズマ肺炎(2012.1.8)赤ちゃんこどもクリニックしんざわ  新澤 毅さん(2012年1月8日) 企画:鳥取県民チャンネルコンテンツ協議会/鳥取県西部医師会

肺炎は死亡原因の4位になっていて、
特に65歳以上の高齢者では注意が必要です。

ただ、ここであげたマイコプラズマ肺炎は、
予後は良いとされていますので、
それほど心配する必要はありません。

不規則な生活やストレス、疲労などは、免疫力を低くし、
マイコプラズマ肺炎にかかりやすくなります。
これを防ぐために、バランスのとれた食事をとり、
規則正しい生活を送り、十分な休養をとりましょう。

マイコプラズマ肺炎の予防方法は、
インフルエンザなど、他の感染症の予防にもつながります。
食事と生活リズムの気をつけて、この冬を乗り切りましょう。

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