突発性難聴の症状と原因。完治までの期間は?自然治癒はできるの?

耳・鼻・のど

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「 突発性難聴 」は年間3万人~4万人が発症するといわれ、誰にでもおこり得る病気。
難聴には様々な種類があり、難聴がおこる時期によって先天性か後天性に分けられるそうです。

2001年の調査では、おおよそ全国で年間35,000人が発症。
以前の統計では40歳代から50歳代の女性に多く見られましたが、最近では10代から20代、また、男性も増加傾向にあるようです。
最近は病気の認知度の上昇につれ、患者数も上昇。

突発性難聴は、厚生労働省のある特定疾患のひとつに指定されているいわゆる難病のひとつ。
いつ誰かなるかわからない病気ですので、病気に対する十分な理解が必要です。

今回は近年増加傾向にある「 突発性難聴 」をご紹介します。

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突発性難聴の症状とは?

突然に耳が聞こえなくなる高度の難聴と同時に、耳鳴りや耳がつまった感じやめまい、吐き気を生じることもあります。
めまいは約半数の患者さんに認められ、よくなった後に繰り返さないのが特徴。
また、突発性難聴では耳以外の四肢の麻痺や意識障害などが認められません。
発症が突発的であることから、ほとんどの患者さんが発症の時期やそのときの状況を覚えていることが多く、何時からかははっきりしないが、徐々に聞こえなくなったというような難聴は突発性難聴ではありません。

厚生労働省研究班では突発性難聴の診断基準を以下の様に定めっれています。
主症状としては、
1.突然の難聴:即時的な難聴、または朝眼が覚めて気付くような難聴。
ただし、難聴が発生した時「 就寝中 」とか「 作業中 」とか、自分がその時何をしていたかが明言こと。

2.高度な感音難聴:実際問題としては高度でないと突然難聴になったことに気付かないことが多い。

3.原因が不明、または不確実:つまり、原因が明白でないこと。

副症状としては、
1.耳鳴り:難聴の発生と前後して耳鳴りが生ずる。
2.めまい、および吐き気、嘔吐:難聴の発生と前後してめまいや吐き気、嘔吐を伴うことがあり、めまい発作を繰り返すことはないようです。

突発性難聴の原因は?

突発性難聴の原因は不明のようです。
ストレスや疲労、内耳の循環不全、ウイルス感染が原因であると考えられており、明確な原因はわかっていません。

・ウィルス感染説
難聴の発症前に風邪のような症状を訴える患者さんが少なくないことや 突発性難聴の罹患が一回かぎりなことが多く、おたふくかぜやはしかなどのウィルス疾患が突発的な高度難聴を起こすことが原因と思われています。

・内耳循環障害説
内耳血管の痙攣や塞栓、血栓、出血などによる循環障害は突発性難聴の突然の発症の理由に思われます。
また、治療として血管拡張剤、抗凝固剤などの循環を改善する薬剤がしばしば有効であると報告されています。しかし、この説では再発はほとんどないという突発性難聴の特徴の説明は困難のようです。

また、近年患者数が増加傾向にあり、患者の生活スタイル、食生活や生活習慣の調査結果から、
・多忙
・不規則
・ストレスフルなライフスタイル
これらが、発症の引き金になっていると考えられています。

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厚生省研究班を中心に行った突発性難聴の全国受療者数の調査では、1993年は人口100万人あたり192.4人。
2011年には275人と、約1.5倍に増加。

また、携帯できる音響機器の普及で、ヘッドホンで音楽を聞く機会も増え、大音量で長時間聞くことで「 騒音性難聴 」や「 ヘッドホン難聴 」の患者も近年増加傾向にあります。

騒音性難聴は、長時間の騒音に繰り返しさらされることにより、耳鳴りがおこる難聴です。
工場やパチンコ店など長期間働いて、徐々に聞こえが悪くなる方が多いので職業性難聴とも呼ばれています。

これらの難聴は、耳に大きな負担をかけることで音の振動で蝸牛の血液が滞ったり、感覚細胞の一部が脱落することで発症する、とのこと。
日頃から耳を休ませる時間をもつなど、予防を心がけましょう。

突発性難聴の完治までの期間はどれくらい?自然治癒はできる?

軽度であれば、気のせいで済まされることかもしれませんが、正確な診断と適切な早期治療がとても大事です。

症状を自覚した場合は速やかに設備の整った病院や耳鼻咽喉科専門医の診断を受けましょう。
一般的に発症、つまり聞こえなくなったと自覚した時点から、約48時間以内に適切な治療を開始すれば治療により聴力が改善する方が多いのです。
1週間を超えると、治療をしても改善が困難な場合が多々見られ、1か月あるいはそれ以上経過していると、きわめて治療困難となります。
つまり、治療開始が早ければ早いほど、その後の症状に大きな差異が出るのです。

そして、突発性難聴は、治療により必ず治る病気ではありません。
治る場合と治らない場合があるのです。

統計的には、適切な治療を行っても難聴が完治するのは患者のうちおよそ3分の1。
もう、3分の1は改善はするが難聴や耳鳴りなどの後遺症が残るといわれています。
残りの3分の1は改善しない方が多数いらっしゃるそうです。

特に高音部の難聴は治療しにくいと言われており、突発性難聴は、内耳の血液循環ふぜんなので手術など外科治療による聴力改善は望めません。

では、治りやすい方はどのような方なのでしょうか。
もちろん、治療開始が早い方が治りやすいです。
その上、難聴の程度が軽い、年齢が若い、めまいを伴っていない、糖尿病や高血圧・高脂血症などの内科疾患がないなどの方は比較的治りやすいと考えられています。
ということは、これらの反対に治療開始が遅い、めまいがする、高齢、糖尿や高血圧、高脂血症などの疾患がある方は予後が良くないことが明らかとなっています。

気のせいと思い、放置してしまって、また聞こえなくなってしまった場合は、他の疾患を考えないといけません。
突発性難聴は再発しないのです。

ということは、外リンパ瘻、メニエール病、聴神経腫瘍など他の疾患を疑わなければなくなります。

聞こえない、と思われたら、ドクターに相談しましょう。

まとめ

難聴には「 伝音難聴 」 と 「 感音難聴 」があります。

耳は、「 外耳 」「 中耳 」「 内耳 」の3つに分けられ、
伝音難聴とは、「 外耳 」「 中耳 」の病気で、「 内耳 」は正常な状態です。
一般的に、耳垢栓塞、外耳円、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎などがあります。

感音難聴とは、「 外耳 」「 中耳 」は正常な状態で、「 内耳 」の病気です。一般的に、突発性難聴、老人性難聴、職業性難聴、メニエール病などがあります。

自己判断なさらないように気をつけましょう。

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