うれしいことがあった時、お酒を飲んで皆でお祝いするのは楽しいもの。
でも、ついはしゃいで飲み過ぎると、翌朝は二日酔いに……。
二日酔いに悩まされては、何と為のお祝いだったのか?
まさに「後悔先に立たず」ですが、なってしまったものは仕方ありません。
速効で治しましょう。
二日酔いで頭痛がするのはなぜ?
アルコールの摂り過ぎが、二日酔いにつながるということは、
当然皆さんもご存知だと思います。
しかしながら、実は、アルコールそのものが二日酔いの原因ではありません。
飲んだアルコールが肝臓などで「アセトアルデヒド」に酸化され、
この「アセトアルデヒド」が更に酸化されて「酢酸(さくさん)」になり、
最後には水と二酸化炭素に分解され、体の外に排出されます。
この途中でできる「アセトアルデヒド」が、二日酔いの頭痛の原因です。
アセトアルデヒドは強い毒性を持っています。
アルコール(エタノール)の数倍~10倍程度の毒性です。
アルコールは適量であれば健康に良いのに対し、アセトアルデヒドは適量というものがなく、毒性のみが問題となります。
ですので、アセトアルデヒドを速やかに酢酸にしてほしいのですが、
困ったことに、日本人は、欧米人に比べ、このアセトアルデヒドを酢酸にする
「アセトアルデヒド脱水素酵素(だっすいそこうそ)」という酵素の働きが
弱い人が多いので、二日酔いになりやすいのです。
二日酔いによる頭痛を治すツボは?
二日酔いの頭痛を治すツボとして、「百会(ひゃくえ)」というツボがあります。
このツボは左右の耳を結んだ線と体の中心線の交わる点、
つまり頭のてっぺんにあります。
両手の中指を使って気持ちがいい程度に、ゆっくりとやさしく押して離します。
これを15回くらい繰り返すと良いようです。
百会は、万能のツボとも言われ、頭痛の他にリラックスさせる効果、
痔や脱毛にも良いようですので、普段から刺激しても良いかもしれません。
また、二日酔いの頭痛に良いツボとして「期門(きもん)」というツボもあります。
みぞおちからら肋骨(ろっこつ)のへりをなぞりながら斜めに下がると、
くぼみで指が止ります。
押すと圧痛があり、ここが期門です。
ツボとしては、左右にありますが、二日酔いに使用するのは体の右側です。
右の期門を両手の付け根で押すように20回くらい刺激すると効果があるそうです。
二日酔いにも効果がありますが、
そもそもは、肝臓の機能をたかめるツボですので、
お酒を飲む前に期門を押しておくと、二日酔いの予防になります。
「合谷(ごうこく)」というツボも二日酔いの頭痛に効果的です。
手の甲を上にして、親指と人指し指の付け根の間を押すと圧痛がありますが、
ここが合谷です。
この合谷を強く押すのも二日酔いの頭痛に効果があります。
二日酔いの頭痛で頭を冷やすのと温めるのはどちらが良い?
二日酔いの頭痛の原因は、アルコールからできたアセトアルデヒドにより、
頭の血管が広がってしまい、近くにある神経が引き延ばされるために起こります。
温めると悪化しますので、頭は冷やした方が良いでしょう。
ただし、アルコールを早く体から追い出すには、
お風呂に入って体を温めた方が良いと言われています。
肝臓のあたりを温めるだけでも、アルコールの分解が早くなるようです。
ですので、理想的には、体は温めながら、頭は冷やすのが良いということになります。
最終的には、試してみて、気持ちの良い方を選べば良いでしょう。
二日酔いの頭痛に良い薬は?
二日酔いの頭痛に速効性を求めるのであれば、
バファリンやロキソニン、イブ、ナロンエースなどの
解熱鎮痛薬があります。
配合されている成分に違いがありますので、
薬局などで薬剤師や登録販売者に相談して服用しましょう。
ハイチオールCやヘパリーゼは肝臓の機能をたかめてくれるお薬です。
二日酔いになってから飲むよりも、お酒を飲む前に飲んだ方が効果的です。
漢方薬の五苓散(ごれいさん)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)も
二日酔いに良く使われます。
漢方薬は、体質に合わないものを使うと効果が出ないばかりか
確率は低いですが、副作用も出やすくなりますので、
必ず専門家に相談してから服用しましょう。
二日酔いの頭痛に良い食べ物は?
二日酔いに良いと言われる食べ物・飲み物として、
コーヒーがあげられます。
先程、アセトアルデヒドが血管を拡張して神経を刺激して頭痛が起こる旨を書きましたが、
コーヒーに含まれるカフェインは、この血管の拡張を抑える働きがあります。
アルコールを分解するには糖分も必要ですので、
コーヒーを飲む時には、砂糖を入れた方がより効果的です。
コーヒーには、尿の出をよくする作用があり、
アルコールやアセトアルデヒドの体外への排出を促しますので、
更に二日酔いに効果があります。
ただし、脱水症のおそれもありますので、コーヒーの他に、
スポーツドリンクなどでの水分補給も必要です。
しじみ汁も二日酔いに効果があります。
しじみには、オルニチンなどのアミノ酸が含まれ、
弱った肝臓の働きを助けてくれます。
江戸時代には、肝臓が悪くなって体が黄色くなる黄疸(おうだん)という病気の
特効薬として有名でした。
スパイスをクローブを煎じて飲むのも効果があります。
クローブ一つまみを一合(180mL)の水で半量になるまでせんじて飲むと
二日酔いに効果があります。
まとめ
明の時代に『本草綱目』(ほんぞうこうもく)という
薬物の百科事典のような本がまとめられましたが、
その中に70種近い薬酒が記されています。
この著者である李時珍は、お酒について、
「酒は天の美禄であって、少量飲めば血を和し、気をめぐらし、寒を防ぎ、愁を消す」
といっていますが、更に、
「もしそれ酔をもって賞となすものは、軽きは疾を起こし、操行を敗り、
甚だしきは邦を失い、家を亡ぼして身命を損ずるに至る。
その害、言語のおよぶところでない」と酒の功罪を説いています。
せっかくのお酒も、気を付けて飲まないと、「酒は百薬の長」ではなく、
「酒は百厄の長」となりかねません。
飲み過ぎないように注意しましょう。
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