健康診断や大腸がん検診、学校や職場などで、
「検便を提出してください」
と言われることがありますよね。
でも、いざ採ろうとすると、
「便器の水に落ちそう……」
「どれくらい取ればいいの?」
「明日が提出日なのに、便秘で出ない!」
「期限に間に合わなかったらどうなるの?」
と困ってしまうこともあるのではないでしょうか。
検便は、手元の採便キットの説明書に従って採取するのが基本です。
また、便秘などで期限までに便が出ない場合は、無理に排便しようとせず、勤務先や学校、健診機関などの提出先へ確認しましょう。
検便には、大腸がん検診で行われる便潜血検査や、食品を扱う仕事などで行われる細菌検査などがあり、検査によって採り方や保存方法、提出期限が異なることがあります。
この記事では、一般的な検便の取り方から、便秘で出ない場合、提出期限に間に合わない場合まで分かりやすく紹介します。
検便の取り方は?基本の手順
検便をするときに大切なのは、
便器の水や尿ができるだけ混ざらない状態で、指定された量の便を採取すること
です。
ただし、採便方法は検査やキットによって異なります。
まずは、手元の説明書を確認してから採取しましょう。
1.採便シートを準備する
採便キットに専用の採便シートや採便用紙が付いている場合は、それを使用します。
説明書に従って便器へセットし、便が便器の水に落ちないように準備します。
採便シートがない場合も、自己流で新聞紙などを便器に敷くのではなく、採便キットの案内を確認しましょう。
トイレの形によって採取しにくい場合は、健診機関や検査機関に確認すると安心です。
2.できるだけ尿が混ざらないようにする
便に尿が混ざらないよう、可能であれば先に排尿しておきます。
その後、採便シートなどの上に排便します。
便が便器の水に完全に浸かってしまった場合などは、そのまま採取してよいか自己判断せず、説明書を確認してください。
3.採便棒で便を採る

便潜血検査などでは、容器のキャップに棒状の採便器具が付いていることがあります。
採便棒の先端を便の表面にこすりつけるようにして採取します。
ここで気をつけたいのが、
「たくさん取ればよい」というわけではない
ということです。
採る量や採り方はキットによって異なります。
採便棒の溝が埋まる程度など、説明書に記載された量を守りましょう。
4.容器をしっかり閉める
採取したら採便棒を容器へ戻し、キャップをしっかり閉めます。
容器や袋に、
- 氏名
- 採便した日
- 必要に応じて採取時間
などを記入する欄があれば、忘れずに記入しましょう。
5.指定された方法で保管する
採便後の保存方法は、検査によって異なります。
特に大腸がん検診などで行われる便潜血検査では、採便後の温度管理が検査結果に影響することがあります。
「冷蔵庫に入れるの?」
「常温で置いておいていい?」
「何日くらい保存できる?」
と迷ったときは、採便キットに記載されている保存方法を確認してください。
検便にはどんな種類があるの?
「検便」といっても、すべて同じものを調べているわけではありません。
代表的なものには、
- 大腸がん検診などで行われる便潜血検査
- 食品を扱う仕事などで行われる細菌検査
- 必要に応じて行われる寄生虫などの検査
があります。
便潜血検査
大腸がん検診などで行われる検査で、便の中に血液が混じっていないかを調べます。
現在、日本の対策型大腸がん検診では、2日分の便を採取する便潜血検査が行われています。
詳しくは、国立がん研究センターの大腸がん検診の案内も確認できます。
細菌検査
食品を扱う仕事などでは、腸管出血性大腸菌などの病原体を保有していないか調べるために検便を行うことがあります。
ただし、
検便をすれば必ずすべての菌を調べるわけではありません。
検査項目は、検査の目的や勤務先、検査機関などによって異なります。
検便が明日なのに便秘で出ない!どうする?

提出期限が近いのに便が出ないと、
「なんとか今日中に出さなきゃ」
と焦ってしまいますよね。
しかし、検便のためだけに無理に排便しようとする必要はありません。
普段の生活の範囲で、
- 適度に水分をとる
- 普段どおり食事をする
- 朝食後など、普段便意が起こりやすい時間にトイレへ行く
- 無理のない範囲で体を動かす
などを意識してみましょう。
一方、
「明日までに絶対に出したい」
という理由で、普段使っていない便秘薬や浣腸などを自己判断で使用するのは避けた方がよいでしょう。
検査の種類によって採便条件が異なる可能性があるため、便が出ない場合は提出先へ確認するのが確実です。
便秘薬を飲んだ便でも検便できる?
普段から便秘薬を使っている方は、
「薬を飲んで出た便でも検便していいの?」
と気になることもありますよね。
これは、検査の種類や使用している薬によって扱いが異なる可能性があります。
そのため、
一律に「便秘薬を飲んでいても大丈夫」とは言えません。
医師の指示で普段から便秘薬を使用している場合は、検便のために自己判断で薬を中止したり、量を増減したりせず、健診機関や医療機関へ確認しましょう。
また、検便を提出するためだけに新しく市販の便秘薬や浣腸などを使おうと考えている場合も、まず提出先に確認すると安心です。
2日分の検便なのに1日しか便が出なかったら?
大腸がん検診などでは、2日分の便を採取する検査があります。
ところが、毎日排便があるとは限りません。
「1回しか便が出なかった」
「同じ便から2本取ってもいい?」
と迷うこともあるでしょう。
しかし、
同じ便から2本分採取してよいかどうかを自己判断するのは避けましょう。
健診機関によって、
- 採れた分だけ提出する
- 別の日に2回目を採る
- 提出日を変更する
など対応が異なることがあります。
キットの説明書を確認し、分からない場合は健診機関へ問い合わせてください。
検便が提出期限までに出ない場合はどうなる?

便秘などで期限までに便を採取できない場合は、
提出できなかったまま放置せず、勤務先・学校・健診機関などへ連絡しましょう。
健康診断や学校検診などでは、
- 後日提出できる
- 予備の提出日がある
- 別途検査機関へ提出する
などの対応が用意されている場合があります。
特に食品を扱う仕事など、衛生管理上定期的な検便が必要な職種では、勤務先のルールに従う必要があります。
「今回は出なかったからいいか」
と自己判断せず、担当者へ確認しましょう。
検便を郵送しても大丈夫?
検便が期限に間に合わなかった場合、
「後から郵送すればいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、自己判断で普通郵便などに入れて送るのは避けましょう。
便潜血検査などでは、検体の温度や保存状態が検査結果に影響する可能性があります。
厚生労働省の大腸がん検診に関する指針でも、検体の郵送については温度管理の難しさから原則として行わない考え方が示されています。
一方で、検査機関から専用の郵送キットが渡されている場合など、郵送が前提となっている検査もあります。
郵送できるかどうかは、必ず提出先の指示を確認してください。
便が水に落ちた・尿が混ざった場合は?
採便しようとして、
「便が水の中に落ちてしまった!」
「尿が混ざってしまったかも」
ということもありますよね。
このような場合、その便をそのまま採取してよいかは検査によって異なります。
採便キットの説明書に対応方法が記載されていない場合は、健診機関や検査機関へ確認しましょう。
採り直しが必要な場合は、新しい採便容器を用意してもらえることもあります。
採便容器をなくした・失敗したらどうする?
採便容器をなくしてしまったり、容器を汚してしまったりすることもあります。
その場合も、別の容器に便を入れて提出するのではなく、提出先へ相談しましょう。
検査専用の採便容器には、検査に必要な保存液などが入っている場合があります。
必ず指定された容器を使用してください。
便秘が続いている場合は検便とは別に相談を
検便の日にたまたま便が出なかったからといって、それだけで体に異常があるとは限りません。
排便の回数には個人差があります。
ただし、
- 便秘が長く続いている
- 強い腹痛がある
- 吐き気や嘔吐がある
- 便に血が混じる
- これまでと排便の状態が大きく変わった
など気になる症状がある場合は、検便とは別に医療機関へ相談しましょう。
検便についてよくある疑問
便はどのくらい取ればいい?
必要な量は採便キットによって異なります。
多ければよいわけではないため、説明書に記載された量を守りましょう。
前日の便でも大丈夫?
何日前までの便を提出できるかは、検査や保存方法によって異なります。
採便キットに記載された採取期間を確認してください。
生理中でも検便できる?
便潜血検査では、月経血が便に混じることで検査結果に影響する可能性があります。
生理中の採便については、キットの説明書や健診機関の指示を確認してください。
下痢の便でも検便できる?
検査の目的によって対応が異なります。
採取できる場合もありますが、自己判断せず、採便キットの説明書または提出先へ確認しましょう。
まとめ
検便をするときは、
まず手元の採便キットの説明書を確認することが最も大切です。
一般的には、
- 便器の水や尿が混ざらないように採取する
- 指定された量だけ採る
- 採取後は容器をしっかり閉める
- 指定された方法で保存する
- 期限内に指定された方法で提出する
という流れになります。
また、
「便秘で便が出ない」
「2日分必要なのに1日分しか採れない」
「便が水に落ちた」
「提出期限に間に合わない」
といった場合は、無理に自己判断せず、勤務先・学校・健診機関・検査機関などへ確認しましょう。
検便の目的や採便キットによって、採り方や保存方法、提出方法が異なることがあります。
迷ったときは、キットの説明書と提出先の案内を優先する。
これを基本にしておけば安心です。
参考資料


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