傷口にラップをするという治療法を聞いたことがありますか?イメージと
しては、ガーゼなど無い時に仕方なく止血のために使うような感じですが
なんだか怪しいですよね。
全くこれまでの常識を覆す方法なので以外なのですが、これが一番正しい
方法だということが以前から証明されていたということです。
これまでの方法は何だったのかなという感じですね。しかし正しい知識が
理解され広まっていくのは良いことですね。
ということで、傷口にラップをする治療法について詳しく解説します。
なぜ良いのか?以前の方法との違いなども書いていきます。
注意点もありますので、よく理解した上で実践してみてください。
傷口にラップをすると良いってほんと?その理由は?
結論から言いますと、軽い傷や軽いやけどには良い方法です。ただ後述しますが
深い傷にはラップは逆に危険な療法になります。しかし最適な状況化でラップを
使うとこれまでの常識を覆す結果になります。傷が綺麗に治るのです。その
理由を箇条書きにしていきますね。
◎消毒は正常な皮膚を痛める
普通は怪我をした場合、消毒して、赤チン塗って包帯巻きます。かさぶたが出来
てくると治りかけてきたな~と感じます。実はこれが間違いだったのです。
消毒液は細胞を殺す作用がありますが、正常な皮膚も痛めることになります。
◎キズは乾かさない方が良い
この方法ですと傷は乾いていきます。乾くと細胞が生き残れないので、かさぶたが
できます。かさぶたの下に体の中から傷を治す浸出液が出て、治っていくのです。
ということは、傷は乾かさず、体内から出る浸出液が出て治るような仕方で対処
していくと良いということになります。ガーゼを使うとその浸出液を吸収していまい
自然治癒できなくなってしまいます。
これがラップ療法または湿潤療法と言います。乾かさず、潤わせる方法ですね。
これだと、かさぶたが出来ずに、傷が綺麗に治ります。かさぶたが出来ると触って
しまって、また血が出て、綺麗に治らないことがありますが、それもなくなります。
考えてみますと、これまではガーゼや消毒液などを使い、わざわざ治りにくくして
いたことを考えると無駄なことを行っていたなあと戸惑ってしまいますね。実はこの
湿潤療法、ラップ療法は、湿潤環境下の方が創傷の治療経過が良いということが
欧米では1960年代から臨床報告などで知られていたようです。
(Moist Wound Healing と呼ばれているそうです)
※「消毒しない」「乾かさない」「水道水でよく洗う」の3原則の治療法。
モイストヒーリング、閉鎖療法、潤い療法とも呼ばれています。
ちなみにラップを巻く時に、一緒にワセリンを塗ってから巻くと、なんと痛みがなく
なってしまいます。空気から保護されるというのがその理由だそうです。ワセリンに
鎮痛効果があるわけではなく、保湿剤の役割を行ってるだけです。乾燥から守られる
だけで、痛みがなくなるのですね。消毒はジンジン痛むし、ガーゼは剥がす時痛いし
これまで何をやっていたのか・・と不思議になります。
◎湿潤療法を行ってはいけない場合
深い創傷の場合は行わない方が良い。動物による噛みキズは菌が十分に排出できない
場合、体の中に菌が回ってしまうためには破傷風や狂犬病になる可能性がある。出血が
多い場合も注意した方が良い。ちなみに自分の判断で湿潤療法を行った方の中で傷が
酷くなった場合、かなりの数あるようなので、見極めが大事であることがわかります。
以下の場合、治療を中止し、医師に診せてください。
・腫れ、むくみ、不自然な発赤などが見られて場合
・痛みがなかなか治まらない場合
・血や膿、浸出液が出続ける場合
・熱が出る場合
・肩が強く凝る、口が開きにくい(破傷風に前触れ)
傷口にラップ療法のやり方。
○まずは大量の水で傷の汚れを洗い流します。異物を徹底的に除去します。
(再び、出血したら圧迫止血)
○出血が止まったら、患部よりやや大きめに切ったラップを貼り付けます。保湿効果のある
白色ワセリンをラップに塗ってから貼るとなお良い。
○ラップを絆創膏やテープ、包帯で固定します。
○ラップは一日に一度、夏の時期は数回変えます。この時に水で傷の周囲を洗うことができます。
湿潤療法用の絆創膏でも大丈夫です。キズパワーパッドがそうみたい。ただ一枚100円します。
○傷がピンク色になり新たな皮膚が出来たら治療完了です。
まとめ
今回はラップで行う治療法が良い理由と方法をまとめてみました。
・名前は湿潤療法、潤い療法、ラップ療法と呼ぶ
・消毒は皮膚を傷める
・傷は乾かさない方が良い
・軽い創傷は水道水で傷を洗う
・傷口の大きさに切ったラップにワセリンを塗り貼る
・それをテープか包帯で巻く
傷が深い創傷の場合はやめておく。もしラップ療法で腫れやむくみ
異変が生じたら治療をやめて外科医に診てもらうようにします。
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